中東情勢の変化に伴う原材料・燃料価格高騰を踏まえた価格転嫁のお願い[経済産業省ほか]

現在、中東情勢の影響による原油価格の高騰や、国際情勢に伴う原材料価格の上昇により、中小企業・小規模事業者の収益が強く圧迫されています。サプライチェーン全体で賃上げを継続できる環境を整備するため、次の2点について、みなさまの積極的な対応をお願いいたします。

1. 取適法・振興法の遵守、サプライチェーン全体での取引適正化

2026年1月1日に施行された「中小受託取引適正化法(取適法)」「受託中小企業振興法(振興法)」に基づき、適切な価格決定を行ってください。

  • 取適法および独占禁止法による禁止行為の遵守
    • 協議に応じない一方的な代金決定や、通常より著しく低い代金を不当に定める「買いたたき」は禁止されています
    • 取引上の優越的地位を利用して、不当な減額や支払遅延など、受託者に不利益を与える行為も禁止されています
  • 振興法に基づく適正な利益の確保と協議
    • 取引対価は、中小企業の適正な利益を含み、賃上げや労働条件の改善が可能となるよう、十分な協議を経て決定する必要があります
  • 積極的な価格交渉への対応
    • 受託者からの申し出には積極的に応じ、原材料・エネルギーコスト・労務費等の上昇分を考慮して十分に協議を行ってください
    • 特に、価格が急騰している原材料等を使用している事業者に対しては、通常の価格改定時期を待たずに積極的に協議を行うなど、特段の配慮が求められています
  • サプライチェーン全体での環境整備
    • 取適法の対象取引かどうかにかかわらず、サプライチェーン全体で価格転嫁・取引適正化に取り組む必要があります
    • 国際情勢による供給不安や価格上昇の中でも、中小企業が賃上げを継続できる環境整備が必要です

2. トラック運送業における構造的な価格転嫁

物流は経済を支える社会インフラです。安定した輸送力を確保するため、以下の徹底をお願いします。

  • 現状と危急性の認識
    • 中東情勢の影響による軽油価格の高騰に加え、供給制限(タンクローリーによる大口販売の停止等)が発生しており、トラック運送事業者の事業継続に支障が出る恐れがあります
    • 物流は社会インフラであり、安定した輸送力の確保には、他業種に比べ遅れている運賃交渉や価格転嫁の実現が不可欠です
  • 適切な協議による価格決定の徹底
    • 運送事業者から燃料サーチャージ導入や取引条件変更の申し出があった際、明示的に協議せず価格を据え置くことは、独占禁止法や取適法(中小受託取引適正化法)に違反するおそれがあります
    • 価格転嫁をしない理由を書面等で回答せずに据え置く行為は、国土交通省の「トラック・物流Gメン」による働きかけや要請、勧告・公表の対象となり得ます
  • 誠実な協議への対応
    • 予め定めた改定時期に限らず、契約期間中であっても、燃料価格等の変動に応じた運賃・料金の変更協議を求められた場合は、荷主・元請事業者は誠実に応じてください
  • 燃料サーチャージ制の導入促進
    • 燃料価格の変動分を別建てで収受する「燃料サーチャージ制」の導入を積極的に受け入れてください
    • 供給停止に伴う購入先切り替えで燃料単価が上昇した場合など、実際の負担が増加した客観的事実がある場合は、その上昇分を負担するよう配慮が求められています

3. 相談窓口・資金繰り支援の周知

4. 違反行為に関する情報提供

5. 中東情勢関連の情報

6. 取引適正化に係る調査への協力

  • 中小企業庁によるフォローアップ調査(4月から実施)
    • 価格交渉促進月間」(毎年3月・9月)のフォローアップとして、中小企業30万社へのアンケート調査や「取引Gメン」によるヒアリングを実施します
    • 調査結果は業種別に公表されるほか、発注者ごとの価格交渉・転嫁の状況を整理した「発注者リスト」として公表されます
    • 対応が不十分な事業者に対しては、振興法に基づき指導・助言や勧奨が行われます
  • 公正取引委員会による特別調査(2026年度も継続実施)
    • 「価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」を前年度に続き実施する予定です
    • 価格転嫁を妨げている疑いのある発注者には、立入調査や注意喚起が行われるほか、不適切な据置き等が確認された場合は事業者名が公表されます
  • 調査への積極的な回答のお願い
    • これらの調査は、現場の取引実情を国に直接伝えることができる貴重な機会です
    • 価格転嫁を推進する上で事業者の皆様からの情報は不可欠であるため、アンケート票が届いた際は積極的な回答をお願いします